そして再び長い夜
現在のパソコンを取り巻く状況の中では、いかに現状が快適であったとしても、どのみちいつか通っていかなくてはならない道がある。何とかここまで漕ぎ着いたけれど、もしUbuntuを実際に使っていくとしたらアップデートはいずれ避けて通れないだろう。そう考えれば今行ける限り一段でも上に上がっておきたい。
ということで、不安を抱えつつ次はこの状態からバージョンアップを目指したのである。クリーンインストールではダメでもアップデートなら、このグラフィック環境を残したまま次のバージョンが使えるかもしれない、否、使えてほしい。
Ubuntu7.10から8.04へのバージョンアップは、まず、「システム」→「システム管理」→「アップデート・マネージャ」を立ち上げてシステムを最新にする作業から始まる。もちろんネット接続が出来ていることが前提だが、たぶん今のところ自動的に設定がすんでいるらしい。
この更新作業は単純に(かなり通信速度が遅くて時間がかかったのを除けば)成功。続いて手順に従って「再チェック」ボタンをクリック。すると「他のソフトを削除しないと2つの更新が出来ない」といった意味のメッセージが出てきた。解らないことを気にしてもしかたないのでサクッとこれを消すと、新しく「8.04へのアップグレード」の項目が出来ていたので、続いてこれをクリック。バージョンアップの工程が開始される。
一応順調かな。とも思ったが、またもや途中で止まってしまう。「ソフトウェアチャンネルを設定しています」という作業リストの後で「アップグレードが算定できません」と来た。何度やっても同じ結果。
さっきの二つの更新が出来ないエラーというのがひっかかるが、関係あるかどうか。
このエラーの時、「Snapticパッケージマネージャで全て更新にマークをつけろ」という意味の注意が出るのだが、これがよくわからない。ちゃんとパッケージマネージャで「全てアップグレード」のアイコンをクリックしてあるはずなのだが。いろいろいじっているうちに、パッケージマネージャの「適用」アイコンが選択可能になっているのに気づく。これかもしれないと思ってクリックしてみる。
もう一度バージョンアップに挑戦してみると、今度は成功した…ように見える。と言うのもいつまでたっても延々とダウンロードが続いているのである。通信速度も遅くなったり、もっと遅くなったり(笑)
表示ではダウンロードに1〜2時間かかりそうな気配だ。眠くなってしまい少し居眠り。どのくらいたったのか、気がつくとそろそろダウンロードが終わりそう。じりじりして待っていると続いてインストールがやっと始まる。ところが、この残り時間の表示が2時間! もういい寝る…
翌朝、見てみると英文のメッセージが開いたまま作業が中断している。まあこういうことになるんだろうと予想してはいたのだが。メッセージの内容はたぶん「以前の設定を残しておくか?」ということのようだったので、YESで作業を再開させる。と、まあこんな感じでアップデート自体に丸一晩かかってしまった。もっとも、結局この作業にはほとんど意味がなかったことが分かるのだが、それはまた後々の話。
ともかく何とかバージョンアップには成功したようで、しばらく後で確認に来たときには再起動を促すメッセージが。クリックして再起動、させるとやっぱりねがめんがはっぴゃくかけるろっぴゃくにもどってるってばよ〜!
そういうオチかなと薄々感じてはいたけれど、がっかりだなあ。
やはり「画面の解像度」ダイアログの中も800x600、640x480、400x300に戻っている。
こうなったら、やりたくなかったけれどコンフィグの中身を直接いじるしか手だてがなさそうだ。そうは言っても何しろなんにも解らない人間が設定をいじるのだから、常識的に言ってシステムが壊れる確率90%。まあ、もっともこういう捨て身の実験をするために他に影響の及ばない環境でやっているのだから、負けて元々、当たって砕けよう。ま、本当は先に書いたとおり、こんな無謀な突撃は必要なかったみたいなのだが。
もうなんとなくお馴染みになってきた「端末」を立ち上げ、以下の「呪文」を書き込む。
sudo gedit /etc/X11/xorg.conf
これでxorgの中身を直接書き直せるようになる。やり方自体はWindoesのメモ帳でテキストデータを編集するのと同じことだ。
この中身を見ていくと、section"Device"なんたらかんたら、というような行の後におそらくモニター出力について設定してるんだろうなあと思われる数行があり、ヤマ勘でここに「Driver "mga"」という1行を書き加える。
*たいへん危険なのでよい子は絶対にまねしてはいけません!
保存して終了。再起動をかける。
なんと奇跡的にブートに成功。しかし「なんか間違ってるっぽいよ」みたいなメッセージが出て、再設定できるようになったので適当に答えていくと、今度こそ本当にちゃんと高解像度で起動したではないか!
いやはやなんとも、である。
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