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「分離信号について」

いまのまさし

 脱クルマ運動と言っても、必ずしもスタンダードな意見があるわけではあり ません。
 そうした中で、最近、分離信号問題を巡って多少討論をしたこともあって、 ここに、ぼくの見解を簡単に述べておきたいと思います。
(ただし、もちろんこれは、いかなる意味でも、現在おこなわれている様々な 運動に敵対したり、反対するものではありません。)

 ぼくは、分離信号導入の消極的賛成派です。
 クルマ社会の弊害を除去する方法は、あれこれ言っても、結局は自動車の総 量規制以外にはあり得ません。それが前提の上での歩車分離です。クルマの台数 が減らなければ、そもそも歩車分離自体が出来うるわけがないのです。
 ぼくが分離信号問題を取りあげるのは、信号を守っていてさえ歩行者は自分 の命を守れないのだ、というインパクトのあるテーマだからで、いわば戦術的に 取りあげていると言ってもよいかもしれません。

 残念ながら、分離信号を導入しても、交差点事故はなくならないと思います 。なぜなら、歩行者の側もまた信号を守らないからです。
 第一に子供は判断力が弱いからこそ子供なのであって、子供に完全に信号を 守れというのは、全くナンセンスです。
 また、大人は判断力がある故に、これも信号を守りません。しかし、その大 人は無事だったとしても、それを日常的に見ている子供は、信号は守らなくても よいものだと思いこみます。その結果、悲劇が繰り返されるだろうことは簡単に 予測できます。
 交差点事故をゼロにするためには、人が横断しなければならない交差点を無 くす=完全歩車分離を実現するしかありません。

 なお、ぼくは、歩道橋の設置に反対しています。歩道橋は老人や障害者など 、足腰の弱い人の歩行権を奪うものです。
 歩道橋を作るよりも、押しボタン式歩行者信号を導入すべきだし、もしどう しても立体にしたいのなら、自動車が地下に潜るべきです。


(了) (1999/10)

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