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イラク問題に関する
緊急コメント
(2003/12/1) 

 11月30日イラク北部において、日本の外交官2名が殺害される事件が起きた。亡くなった方に哀悼の意を表する。

 小泉首相は「背景を調査する」と言っているが、すでに事件の背景は明らかである。結果を考えないまま、米軍主導の「西側同盟」が無謀な戦争をおこなったことが、そもそもの原因であることは誰もが否定し得ない事実であろう。
 当初イラクにいなかったアルカイダなるイスラム強行派組織の潰滅を標榜しながら、この戦争がもたらした結果は、逆にアルカイダをイラクに引き寄せることになってしまったのである。

 こうした中、ブッシュ米大統領は感謝祭にバクダットの空港にたった2時間だけ出現するというテレビ向けパフォーマンスを演じたが、まさにこのような尊大でありながら全く無意味で不真面目な挑発的行動が、皮肉にもこの戦争の本質を明らかにしてしまった。
 イラク民衆が米国とその同盟国の横暴な侵略と支配に対し怒りを覚えるのは当然のことだと言わざるを得ない。

 今回の事件に際し川口外務大臣は「テロに屈しない」と述べ、イラクへの関与を継続する意向を示したが、日本が米国主導の軍事同盟の一員と見られている以上、現状のまま日本政府がイラクへの関与を継続することは、日本の国際社会における役割をいたずらにおとしめることにしかなりえない。
 なによりも小泉首相が強行しようとしている自衛隊のイラク派兵は、憲法の規定を踏みにじる暴挙であり、専守防衛を旨として容認されてきた自衛隊の存在理由さえ失わせる戦後最大の政治的転換なのである。
 このような重大事を、まさに戦後日本国民のレゾンデートルを問う大問題を、政府部局内部のみの調整で決定することが許されるはずはない。

 日本政府はイラクへの関与を一時停止し、これまでの政策を自己批判した上で、米国の侵略に荷担しない立場でイラク民衆のために何が出来るか再検討を行うべきである。

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